【地震上乗せ特約は必要?】損しないためのやさしい保険の考え方
日本に住んでいる以上、地震リスクとは切っても切れない関係にあります。そんな中で、地震保険に加えて検討されることが多いのが「地震上乗せ特約」。
でも、名前は聞いたことがあっても、「実際に必要なの?」「どんな場面で役立つの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「地震上乗せ特約は本当に必要か?」というテーマについて、やさしく、かつ実用的な視点から解説していきます。
地震保険と地震上乗せ特約の違いとは?
◆ 地震保険ってなに?
まず押さえておきたいのが、地震保険は火災保険とは別物だということ。
火災保険だけでは、地震による損害は補償されません。地震で火災が起きた場合でも、「地震による損害」と判断されれば対象外になります。そこで別途加入が必要になるのが地震保険です。
ただし、地震保険の補償額には限度があるという点も重要。
建物の評価額の最大50%までしか補償されないため、実際に全壊しても、再建費用をすべてカバーできるわけではありません。
◆ 地震上乗せ特約とは?
ここで登場するのが「地震上乗せ特約(地震危険補償上乗せ特約)」です。
これは、地震保険の補償額では足りない部分を補うために保険金を上乗せできる特約。いわば「地震保険の補強パーツ」のような存在です。
地震上乗せ特約が必要かどうかを判断するポイント
「必要か?」を考える前に、自分にとって本当に備えるべきリスクかどうかを整理してみましょう。
◆ 自宅が持ち家か?賃貸か?
-
持ち家の場合:建物や家財が地震で大きく損害を受けると、自分で修復・再建しなければならず、出費はかなりのものになります。再建費用のギャップを埋めるためにも、地震上乗せ特約は検討する価値があります。
-
賃貸住宅の場合:基本的に建物の損害は大家さんの負担ですが、家財の損害や引っ越し費用、仮住まいの確保などが発生するため、家財に対する補償の上乗せは検討してもよいでしょう。
◆ 地域の地震リスク
住んでいる地域が地震の多い地域(活断層の近く、過去の地震履歴が多いなど)の場合は、被災リスクが高くなります。
例えば、南海トラフ地震や首都直下型地震などが想定されている地域では、被害の規模も大きくなる可能性があります。
◆ 再建費用の自己資金がどれくらいあるか?
地震で家が倒壊したとき、貯金や資産で再建できる余力があるかどうかも重要な判断材料です。
仮に地震保険で1,000万円が出ても、再建費用が2,000万円かかれば、残りは自己負担です。自己負担を減らしたい人には、地震上乗せ特約は有効な選択肢となります。
地震上乗せ特約のメリットとデメリット
【メリット】
-
地震による損害の実質的な負担を減らせる
-
万が一のときに家計へのインパクトを抑えられる
-
特に持ち家・住宅ローンありの人にとってはリスクヘッジになる
【デメリット】
-
保険料がやや割高になる傾向がある
-
保険会社によっては特約の内容や支払い条件が異なるため、内容の見極めが必要
地震上乗せ特約が向いている人の特徴
-
持ち家で住宅ローンの返済がまだ多く残っている人
-
地震リスクが高いエリアに住んでいる人
-
貯蓄だけでは大地震後の生活再建に不安がある人
-
家族が多く、避難生活が長引くと困る人
地震保険と地震上乗せ特約、選ぶ際のポイント
-
保険会社の約款(保障内容)をよく読む
保険金の支払い条件や対象範囲が異なるため、よく比較しましょう。 -
補償額をシミュレーションする
再建に必要な金額と、今の保険でどこまでカバーできるかをチェック。 -
地震保険+地震上乗せ特約がセットになったプランも検討
保険会社によってはセットプランもあり、割安になることもあります。
まとめ|地震上乗せ特約は「備え」のひとつ
地震上乗せ特約が必要かどうかは、暮らしのスタイルや住まいの条件によって異なります。ただし共通して言えるのは、「備えは損にならない」ということ。
万が一のときに「入っておいて良かった」と思える保険を選ぶには、日頃から自分の暮らしに合ったリスクと向き合うことが大切です。
迷ったときは、保険のプロに相談するのもひとつの手です。
将来の安心のために、今できる備えをしておきましょう。